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2023.09.30 17:00 お店訪問

卒業生のお店訪問「Bar UK」荒川英二さん(高25期)

高校25期 荒川英二さんのバー「Bar UK」を訪問しました。
心地よいジャズがBGMで流れる隠れ家のような空間です。落ち着いた雰囲気の中で、店内に約600本ある世界じゅうのお酒がゆったりと楽しめます。荒川さんは、大手新聞社を定年退職後、長年の夢であったBarのマスターに転身された経歴の持ち主で、おもしろい話がたくさん聴けました。
 
Q:Bar UKはどんなお店ですか?
A:基本はウイスキー・バーで、店内にある約600本の8割はウイスキーです。ほかにもジン、ウオッカ、ラム、テキーラ、ビール、ブランデー、ワイン、シェリーなど幅広いお酒をご用意しています。もちろんカクテルもお楽しみ頂けます。
立地は北新地ですが、リーズナブルな料金(2000~2500円前後)で楽しめる酒場で、全てのボトルに1杯いくらの値段を明示しています。
 
 
Q:お店のこだわりは?
A:世界じゅうの様々なジャンルのお酒を最低1本は置いています。例えば、アクアヴィット、アブサン、アラック、カルバドス、グラッパ、梅酒等々。カクテルは、自分自身が長年カクテル史を研究してきたこともあって、普通のバーではあまり扱わない、約100~150年前に誕生したクラシックなものも積極的にお出ししています。
 
Q:本当にお酒が好きなんですね
A:新聞記者時代は、毎年400~500軒くらいバーに通ってました。出張時はいつも1晩で4~5軒は巡ってました。お酒だけでなく、バーの雰囲気やマスターとの会話も好きなんです。
 
Q:新聞記者からの転職とのことですが、そのきっかけは?
A:神戸赴任時代(1982年)に、後に切り絵作家となる成田一徹さん(故人)と取材で知り合ったことが「運命の出会い」となりました。当時、公務員だった成田さんもバー巡りが好きで、神戸にあった外国人向けバーによく連れて行ってもらいました。
その後、成田さんは脱サラして上京しましたが、自分が東京出張の時は、よく二人で銀座などのバーで飲みました。そうしてるうちに、ますますバーが好きになり、40歳頃から、「定年後にバーを開きたいなぁ」と現実的に思うようになりました。今まで通ったバーにはどこか少し物足りない感もあったので、「それなら自分で満足できるバーを作ろう」と思ったのも、転身を考えた理由です。
 
新聞記者時代(43歳頃)   成田一徹さんの切り絵原画を店内で展示
 
Q:会社員時代からバー開業の準備をされていたとのことですが
A:開業資金に充てるため、40歳から60歳の定年まで、毎月2万円ずつ貯金し、お酒のボトルも少しずつ買い集めていきました。本当は早期退職して開店したかったのですが、妻(高津同級生)から「定年まで働いたら、好きなことをしていい」と言われまして、「はい」と(笑)。バーの運転資金は、売上げの中でやりくりし、退職金や年金には絶対に手を付けないと約束しました。
親しいバーのマスターや会社の友人は、「リスキーだからやめた方がいい」と言う人がほとんどでしたが、私は「人生は一度しかない。やらないで後悔するより、やってから後悔したい」と、自分の思いを貫きました。
 

成田さんデザインの門灯

Q:開店10年目、バー経営のやりがいや苦労は?
A:毎日、外国人の方も含めいろんなお客様が来られますが、同じ日は二つとありません。人と触れ合えて、精一杯の接客・サービスをして、喜んでもらえることが生き甲斐です。「定年後のいい趣味、道楽ですね」と愉快ではない言われ方をすることもありますが、私は、頂いた対価(代金)に見合うお酒とサービスを提供しなければならない「仕事」だと思って、毎日取り組んでいます。
当初は、元記者の自分に接客業ができるのかと不安に思っていましたが、記者も取材相手と信頼関係を築けなければいい記事は書けません、一方、バーのマスターも、お客様に愛されなければリピーターになってもらえないという点では、似た部分が多い仕事だなと思っています。
 
Q:高校時代の思い出は?
A:クラブには入ってませんでしたが、中学時代の友人らと組んだバンドに熱中していました。高津の友人は頭が良いだけでなく、個性的な人が多く、友人に影響されて自分も成長できました。70年安保の熱気がまだ残り、ヘルメットをかぶりデモに参加する友人もいた時代です。過激なことを言っても学生の意見を尊重してくれる先生が多く、安心してものが言えました。私の人格や価値観、人生を生きる指針は、今も高津の3年間で醸成されたと強く思っています。
 
高3の記念祭をさぼって校外に出ようとする生徒を校門で押しとどめる活動中(左から2人目)   高2の記念祭で演劇を披露(右)
 
Q:現在、高津同級生とのつながりは?
A:同学年の友人はよくお店に来てくれて、ミニ同窓会みたいな感じで使ってくれてます。小学・中学・大学、社会人時代の友人よりも、高津同級生とが何でも一番熱く語れます。
 
インタビュー後の感想
お酒の歴史やお酒にまつわる興味深い話をしていただきました。取材の日、開店して間もなく、外国人のお客様が来店され、荒川さんは開店以来取り組んできたという英語での接客を実践されていました。すばらしい!
 
 
「Bar UK」
大阪市北区曽根崎新地1-5-20 大川ビルB1F
06-6342-0035
JR北新地駅から徒歩1分、JR大阪駅&地下鉄・梅田駅から徒歩7分、地下鉄・西梅田駅から徒歩2分
営業時間 平日 16:00~22:00(ご入店は21時迄)
     土曜 14:00~19:30(ご入店は19時迄)
定休日  日曜・祝日/別途、土曜に月2回、水曜に月1回不定休
席数 カウンター5~6席、別途テーブルに4~5席
オープン~19時まで=ノー・チャージ

19時以降=サービス料 ¥300


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