天神橋筋商店街 天六とJR天満の間ぐらい 2本東の筋にあるお店で上野(園田)紗由さんにお話しを伺いました。
Q:「でんえん」さんはどんなお店ですか?
A:串で刺さっていない形のいろんな部位の鶏肉を七輪でお客様自身で焼きながら食べていただくのが売りの「焼き鶏」屋です。鶏の産地にはこだわらず、その時期においしいものを、信用しているお店から仕入れています。また、その日に捌いた鮮度のよい一番おいしい産地の鶏を使ったお造りも喜んでいただいています。
Q:お店をはじめたきっかけは?
A:私の父が知人より出資を依頼され、約20年前にオーナーとなり始めました。「でんえん」の店名の由来は私の旧姓の苗字「園田」の漢字をひっくり返してつけました。その当時は父も店に行かず、その時の店長と料理人さんにお店を任せっきりでした。私は、学生時代からたまに客としてお店に食べに来ていたのですが、就職して、4年ほどでフリーターがしたくて、当時の会社を退職し、このお店でバイトを始めました。当時、オーナーの不在のお店は、勝手にお店のビールを飲んだり、食材があちらこちらに放置されていたりと、めちゃくちゃになっていました。その様子をみかねて、父に「店長を自分に任せて欲しい。」と話しバイトから店長になりました。当時の調理人や従業員は辞めてしまい、自分のしたい形のお店を始めるために新しい従業員の募集をし、ほぼ一からのスタートとなりました。私自身も調理師免許を取得しましたが、なかなか思っている個性のある人は見つからず求人に苦労しました。
Q:ご主人との出会いは?
A:お店を引き継いでから、仕事の後、ホッとしたくて、実家の近くの居酒屋に行っていました。そのお店で料理人として働いていたのが今の主人です。私が28歳の時でした。お話するうちに、いい人だと思い、主人も「お店を一緒に手伝いたい」と言ってくれて、9年前から一緒に働いてくれています。主人は和食の料理人なので魚、季節の野菜を使った料理を、今日のオススメメニューとしてボードに書き、一品として提供できるようになりました。常連さんに大変好評をいただいております。
Q:お店を始めて一番印象に残っていること、苦労されたことは?
A:夫婦で営業しているときは、売り上げもよかったのですが、私が妊娠して、現場から離れて学生バイトに来てもらうことになりました。すると、少しずつお客様が離れて行ってしまいました。その後、コロナウィルスの流行で客足が少なくなり、この時期が一番辛かったです。今でもコロナ前には戻ってきていません。良かった時を100とすると今まだ50~60くらいです。
Q:お店に関しての今後の夢は?
A:まずは、コロナ禍で落ち込んだお店を軌道に乗せたいです。将来は店舗を増やしたいと思っています。そのためには、主軸になってくれる人を育てていくのが課題です。現在8歳と4歳の子どもがいますが、子育てが落ち着いてきたら、2人で頑張っていきたいと思っています。
Q:高校時代の思い出は?
A:軽音部に所属していて、女子バンドでドラムを担当していました。どちらかといえばおとなしい高校生で、将来は漫画家になりたくていつも、自分で描いた漫画をクラスメートに見せていました。大学の時は、少女漫画雑誌の懸賞に応募して賞金をもらったこともありました。体育祭で看板を描いたことや、卒業式で誰が歌い始めたのかわかりませんが、「リンダリンダ」を、卒業生が全員、講堂の台の上にのって、歌ったことも印象的な思い出です。
Q:現在、高津同級生とのつながりは?
A:SNSやFacebookでつながっていますが、同窓会的な集まりは、お店の営業時間帯のことが多く行けていません。ただお店にはよく同級生が来てくれています。
感想
取材している合間にも、同席いただいた同級生の松尾さん(テタールヴァレ経営)とお店経営や従業員の育て方について参考意見を聞かれており、お店をやっておられる同期同士の繋がりを感じました。ご自身同様、トングを持って、『今食べれます』、『もう少し焼いてください』と焼き頃をアドバイスできる従業員さんを早く育てていただき、個性的なお店を拡げていく夢が叶うよう応援したいと思いました。
「地どり焼 でんえん」
大阪市北区天神橋5-3-18 浅野ビル1F
Tel.06-6881-5201
地下鉄天神橋筋六丁目駅から徒歩2分
月〜金 17:00〜24:00