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2023.07.13 18:00 お店訪問

卒業生のお店訪問「テタールヴァレ」松尾弘寿さん(高54期)

高校54期 松尾弘寿(まつおこうじ)さんが経営する、天満橋のブリューパブ「テタールヴァレ」を訪問しました。

お店紹介をお願いします
当店は、ブリューパブというスタイルの飲食店ですが、皆さんブリューパブBrewpubをご存じでしょうか? Brewing=醸造/ビールの醸造所/ブルワリー。Pub=パブ/酒場/イギリス発祥のコミュニティ Public Houseの略。小規模設備のビール工場と、そこで醸造したビールを提供するパブレストラン。これらを併せて備えた飲食店が、ブリューパブです。
小規模のクラフトビール工場と、塊肉とビストロ料理をメインにしたビアダイニングを同じ空間に構えたお店です。ランチタイムとカフェタイムも営業しており、お昼からフレッシュで管理の行き届いたオリジナルのクラフトビールを楽しめます。(2016年4月開業)

Q:ブリューパブとの出会いは?クラフトビールのお店を出そうと思われたきっかけは?
A:二十代前半、恵比寿のイニシュモアという素敵なパブでよなよなリアルエールを飲んで以来、クラフトビールに魅せられてきました。その頃はビストロやコーヒーチェーンなどの飲食業に勤務していました。その後、東北大震災が起き、今後の生活自体の先行きが見えなくなった時に、大阪に戻ってお店を開こう、それならクラフトビールをキーとした店にしようと思いました。

 

Q:ビール造りを学ばれたのはどうやって?恩師と云えるような方はおられますか?その方との出会いは?
A:ブリューパブを始めようと思いたって、いろんな会社を当たりましたが、その中で大阪高槻にある國乃長ビールに働かせてほしいと頼み込み、ビールの醸造を学びました。國乃長では3年ほど働きましたが、日本酒造りもされている杜氏から、日本酒もビール造りも教えていただき貴重な経験となりました。
ちなみに、店名のTêtard Valléeの意味は、「Têtard=おたまじゃくし」「Vallée=谷」で國乃長ビールのマスコットがカエルだったので、その子供であるおたまじゃくしと谷町の谷から名前をつけました(笑)。

Q:起業に当たってのご苦労、軌道に乗るまでの道のりは?
A:資金調達に苦労しました。普通の飲食店の開業に比べ、自家醸造の設備等で倍以上費用がかかります。従業員から独立したいと相談されたら、「君にそれだけお金集められるか?」と聞いてみるようにしています。また、開業するにはビール製造に関して国税庁の免許が必要です。免許取得に1年以上かかり大変面倒です。

Q:クラフトビールに対する拘りは?金賞連続受賞はどうやったら?
A:クラフトビールを広げたいというより、クラフトビールとブリューパブを始めとする飲食店を日本に広げていきたいと志しています。実際2号店は2018年に中崎町でBBQレストラン(センターポイント)を、最近では同じく中崎町で3号店を立ち飲みスタイルの豚足料理店(天6アタック)を開業しました。賞については開業後1年目の2017年より受賞していますが、ビールの場合、日本酒等と違い、仕込みから製造までで約1ヶ月でできるので、ネットとかで材料等の組み合わせを自分で調べ、試行錯誤をしながら自分の舌で味を確認するという地道な作業を何回もできるので飽くなきチャレンジが可能なんです。

Q:料理もご自分で作っておられましたが料理への拘りもあれば?
A:元々は高校卒業後、阿倍野の辻調理師学校で料理を学び、東京でフレンチ料理をケータリングで販売する会社の料理人をしていたので料理が実は本職です。ただ、料理と醸造の両方を自分でできる人はなかなかおらずそこが自分の最大の強みと思っています。

 

Q:高津高校に対して思うことあれば
A:高校1年の時にお父さんが病に倒れ、見舞いや介護に忙しく、学校では寝てばかり、本来は北大に進学して農学部に入りたかったそう。ただ商社に勤務されていたお父さんとはお元気な時に食や農業に関する仕事を一緒にやろうかとお話されていたことも「現在の自分につながっているかも。」と。
卒業してからも高津の『自由と創造』の精神、また『自由には責任を伴う』、という考えは常に自分の中で意識していた、と。やはり高津卒業生には自由でクリエイティブな仕事が向いているのでは、と。

 

インタビュー後の感想
現在は各店の運営をそれぞれのお店の従業員に任せ、ご自身は新しくクラフトビールのお店の開業を希望される方へ開業・経営コンサルやセミナー等で忙しく飛び回っておられるとのこと。福岡・山口・千葉・京都、大阪でも3店くらいを手がけてこられたが、基本口コミの紹介のため1年で手がけられるのは2店程度とのこと。ご自身の家庭では中1の娘さんと小2の息子さんを持つ二児のパパではあるが家庭は奥様に任せきりのご様子。趣味のランニングを名目にお店の常連さん達とゆるいランとラン後のビール飲み会を定期的に開かれており休日も忙しく過ごされています。ご自身が子供のように夢を追いかけておられるように感じました。

 

「テタールヴァレ」
大阪市中央区大手通1-1-2 アトランティス21ビル1F
06-6809-5229
大阪城からも近い谷町2丁目の交差点から西20m
天満橋・谷町四丁目駅 徒歩5分

OPEN 平日11:30~23:00 休日12:00~23:00
CLOSE 不定休(たまに日曜日に臨時休業)
席数 45席 貸切35名~相談可

brewpubtv.com


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