2023年1月26日、高校51期 樽口周平さんが営む「和 あいだ」を訪ね、お話を伺いました。
「和 あいだ」は、堺筋本町駅から徒歩3分、本町駅から徒歩4分というアクセスの良さ。中央大通りに面してるビルの2Fに佇む隠れ家的なお店です。「皆さまに本物の割烹料理を気軽に楽しんで頂きたい」そんな思いで始められ、今年で創業12年目を迎えられます。
Q：いつから料理人になろうと思ったのですか
A：学生の頃は大学を出て就職することが最善と勝手に思ってました。大学は機械工学科に進学。テニスサークルに所属し、ごく普通の大学生でした。卒業後、CHOYA梅酒に営業として2年勤めました。個人飲食店に飛び込み営業等をしているうちに、自分でお店を持ちたいという気持ちが大きくなってきました。
自分が一生懸命作ったもので、お客様に「おいしい」と喜んでもらえて生活していければ、こんなに良い仕事はないと思いました。
Q：料理を本格的に学んだのは？恩師との出会いは？
A：調理師学校も行ってませんからね。大根の桂剥きひとつできませんでしたから。料理を学ぶにあたって、初めは自分のお店を持つことだけを目標にし、一つでも美味しいものを学ぶなら最高峰の割烹料理屋さんでいろんなことをさせてもらえる環境がベストと思い、何度もいろんなところに面接に行きました。「3～5年で独立したいです。何もできませんが」と言うと、ことごとく断られました。明日から来ていいよって言ってくれたのは、今のお店の場所で34年間営まれていた割烹本城の大将だけでした。今でも、週に1度同じ市場でお会いして勉強させてもらっています。
Q：この店を任されたのはいつからですか。
A：任されたわけではなく、大将が新しい店に移るタイミングで、私がこの地で店を続けたいと希望しました。ちょうど30歳の時です。大将とは5年いっしょにやらせていただきました。3～5年で独立するという目標が叶いました。それから今年で12年目を迎えようとしています。
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Q：料理人になるまでの道のりは険しかったと思いますが、修業時代の苦労は？
A：3～5年で独立したいなら、料理人として様々な修行の量をこなさないといけないと思いました。朝は4時から10時まで黒門市場で魚をさばき、昼は10時から14時まで、居酒屋、フレンチ、料亭等で仕込みをしていました。2時間ほど仮眠した後、夜は17時から0時までこの店で大将から修業を受けていました。
いつ寝てるか分からん状態が続き、ある日、寝坊で大将のお店を無断欠勤してしまいました。大将から「もう来なくていいよ」と言われてしまいましたが、すぐに店に向い働きました。その心意気を認められたのでしょうか、また働かせていただけるようになりました。とにかく必死でした。
Q：料理に対するこだわりは
A：「一皿会席」というコンセプトで、セットメニューでおもてなしをしています。基本は、突き出し、お造り盛り合わせ、ワンプレート（一皿会席）です。少なくとも20種類の料理をお出ししています。
会席料理というと、値段も時間も雰囲気も敷居が高く感じられると思いますが、和あいだでは、気軽に本物の和食を楽しんでいただけるよう、多種類の食材をちょこちょこと食べていただくスタイルを取っています。四季折々の本当に間違いのない良い食材を選び、素材の味を最大限活かすよう、日々工夫をしています。これぞ和食、という優しい味にしあがっていると思います。
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Q：ランチもやっておられるんですね
A：ランチも同じコンセプトでやっています。お昼のメニューは「幕の内」一つのみです。内容は「一皿会席」にお吸物、ご飯、赤だし、お漬物が付きます。
Q： 高校時代はどんな学生でした？
A：昔から人とはチョット違うとは思っていました（笑）。先輩や先生の言うことでも、自分が良いと感じたことだけをしていました。それを周りに理解してもらうにはどうすればいいか、と抗っていたと思います。
クラブは硬式テニス部でした。普通の中学生だった私が高津高校に入るために勉強を頑張ったこと、テニス初心者の私が全国中学総体に出た同期に勝った経験等から、ひたむきに2-3年頑張れば出来ないことはないと根拠のない自信は付いたと思います。
高校時代の樽口さん
インタビュー後の感想
取材中に、HOT PEPPER掲載の営業にリクルートの方が来られましたが、店のコンセプトに合わないという理由から、樽口さんは丁重にお断りされていました。グルメサイトは、一休ドットコムにしか掲載していないとのこと。恩師である大将の時代からの常連さんを大切にするとともに、和食好きの方に店を知ってもらい、美味しい料理をゆっくり楽しんでもらいたいという思いが感じられました。
「和 あいだ」
大阪市中央区南本町2-6-8 メルパシオ本町ビル2F
06-6241-6009
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