「著名人シリーズ」の第4回は、高校20期の川崎重工業(株)社長の村山さんにお願いしました。殆どが東京で活動されておられますが、文藝春秋の「同級生交歓」(後日、詳細はホームページ等で掲載予定)の取材で高津高校に来られる機会があり、これに便乗してインタビューをお願いしました。
■川崎重工業(株)とはどんな会社ですか?
・国内外の100に及ぶ関連企業とともに「技術の企業集団」川崎重工グループを形成して、陸・海・空はもとより、遥かな宇宙から深海に至るまで、多彩な製品を手掛けています。
・イメージが掴みにくいと思いますが、航空機や宇宙機器、新幹線やニューヨーク地下鉄、ガスタービン発電などのエネルギー開発事業、皆さんに馴染があるものではKawasakiブランドのモーターサイクルなど、世界的にも他に類を見ないユニークで幅広い製品を扱う会社だと思います。
■高校時代はどんな時代だったのでしょう?
・1968年に高校を卒業し、大学では学園紛争の影響を受けましたが、高校時代は穏やかな学生生活を送りました。
・敢えて言えば、1年生の時、「ユニフォーム問題」と言って記念祭ユニフォームのあり方を巡り、19期の先輩の方々を中心に生徒と学校との間で対立があったことを覚えています。
・高校時代の印象的な思い出として、入学して最初の行事の遠足で、クラス毎に委員がバス会社と直接交渉してスケジュールを取りまとめていたことです。実に高津らしいというか、学校全体が生徒を大人扱いし、それに応える生徒を目の当たりにしたカルチャーショックがあります。
■なぜ多くの著名人が輩出されたのでしょうか?
・確かに高校20期の卒業生で、岡藤君(伊藤忠商事社長)をはじめ、実業から医学・法律・外交・教育業界等々で多くの同窓生が活躍していることは嬉しい限りです。
・なぜと訊かれても困りますが、これら社会で活躍している同窓生の殆どは、高校時代はそれ程目立つ存在では無かったように思います。
・高津は、受験校でありながらガリベンを嫌い、「自由と創造」の校風を謳歌しながら、お互いが切磋琢磨したのが原点にあるように思えます。
・でも、感謝すべきは、我々を温かく育ててくれた先生方であり、多くの印象に残る先生方がおられました。
■印象に残る先生方の思い出は?
・例えば、東洋史のS先生が1年生の授業で、「皆さんの目の前にある机はいつも変わらないと思っているでしょうが、“昨日の机“と“今日の机”は同じではありませんぞ」と切り出され、諸行無常の何たるかを説かれました。新鮮と言うか斬新と言うか、中学校までは教えられもしない物の見方を判りやすく教えて頂きました。
・また、化学のU先生の授業では、実験ばかりでした。ある生徒が「先生、もっと受験に出るところを教えて下さい。」と言うと、すかさず「君らは賢いやろ。そんなのは自分で勉強しなさい。」と対応されていました。(笑)
■高津100周年への期待は?
・我々20期は、幹事の任君のお蔭で4年に1回の同期会を行い、毎回100名超が集う横の繋がりがあります。今回の100周年記念事業で、岡藤君が実行委員長を引受けてくれているので、出来るだけの協力はしたいと思います。
・100周年への期待として、やはり「自由と創造」の校風を次世代に繋げて行って欲しいと思います。受験校でありがちなひ弱な人間を育てるのではなく、人間力ある有為な人材を輩出し続ける高校であって欲しいと思います。
【取材後記】
・実は、村山さんの奥様も20期OGで、取材の時に同席されました。(お聞きすると、お二人は1年生で同じクラスだったとのこと。)そこで、著名人シリーズでなく、初めての企画として「同窓カップル」シリーズを試みましたが、奥様の強い反対でダメでした。(笑)
・でも、インタビューでは奥様のツッコミもあり、笑いが絶えない取材となりました。お二人に感謝。
取材日 2016.01.31