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2016.01.08 16:51 著名人卒業生シリーズ

著名人卒業生_第3回 – 西澤良記さん -【高校16期】

DSCN1887s「著名人シリーズ」の第3回は、大阪市立大学の学長をされている西澤良記さん(高校16期)にお願いしました。西澤さんは大阪市大医学部を卒業され、これまで厚生労働省や医師会等の多くの委員会の理事長・理事・評議員を歴任され、現在も学長の激務のかたわらで現役の内科医としてご活躍されておられます。

大阪市大とはどんな大学ですか
・我が国最初の市立大学で、2015年に創立135年を迎え、附属病院も含め8学部10研究を擁する日本最大規模の公立総合大学です。
・前身は大阪商科大学で、当時の大阪市長の關一(せきはじめ)が「都市・大阪を背景とした学問の創造」を目指し、「国立大学のコピーであってはならない」との理念を掲げ、市民とともに歩んできた建学の精神は今も脈々と引き継がれています。
・自由闊達に何をするかを考える大学であり、ある意味で高津高校の「自由と創造」に似ていると思います。

具体的に他の大学と比べ何が違いますか?
・地域にねざしつつ世界を展望できるグローバル教育に力を入れています。海外100以上の大学や研究機関と学術交流協定を結んでおり、海外留学制度として短期海外研修・交換留学・認定留学・奨学金など多くのプログラムを準備しています。
・一方で、海外からも留学生を積極的に受け入れており、現在、世界21ヶ国・地域から約330人の留学生がキャンパスで学び、日本人学生との交流も広がっています。
・特に英語教育に力をいれており、TOIFL ITPテストを採用し、新入生の全員に大学負担でテストを受けてもらい、1クラス約25名の小人数を原則としてネイティブ・スピーカー教員が授業を担当します。
・そのほか、学部間の垣根が低く研究者の連携が強いことや、教員と学生の関係が近い少人数教育、社会の発展に貢献する実学の重視などが市大の大きな魅力です。

高校時代の思い出は
・クラブは管弦楽部(現アンサンブル部/吹奏楽部)に在籍し、トランペットを担当しました。熱心な指導を受け、多くの優秀な演奏家が輩出されています。
・でも何といっても、私の進路を決定付けた担任の池谷先生(担当:国語)との出会いです。当時、建築家としてクリエイティブな仕事に就くか、英語力を生かして海外で仕事をするか・・・、色々悩みましたが、先生から医者を勧められました。
・今振り返ってみると、医療の世界は創造的で且つグローバルであり、先生の指導はまさに的を得たもので、深く感謝しています。

学長をされてのご苦労は
DSCN1882s・一般企業には具体的な目標があり、私立大学も教育理念が明確ですね。公立大学は、設立団体(大阪市)が定める中期目標に沿って中期計画を自ら設定し、外部評価を受け、予算も大阪市以外からも研究費等の資金を確保しなければならず予想以上に苦労の多いものです。
・研究活動が好きだったので、病院や大学のマネジメントは正直疲れます。各学部は利害関係や価値観が異なりますから、これらを一つの方向にまとめるには徹底した議論が必要となります。なんとか執行部を中心に全学をまとめ、重要な戦略を練り上げる仕組みが出来上がったと思います。
・現在はご存知のように市大と府大の統合について東奔西走の日々ですが、今までにない素晴らしいグローバルな新大学を目指しています。

逆に学長をされて良かったことは
・市大の同窓会は海外を含め28支部を抱えており、東京・京都・名古屋等で定期的に開催されるなど組織がしっかりしています。特に法学部・文学部・経済学部・商学部の4学で構成される有恒会は強い結束力を持っており、何かにつけて協力支援をいただいています。
・これらの同窓人脈に支えられ、各業界で活躍されている多様な方々と率直なお付き合いが出来ることは、何よりの楽しみであり財産で有難いと感謝しています。

■高津100周年への期待は?
・グローバルな人材を育てる高校であって欲しいと思います。日本は海外の異なる宗教や文化を受け入れてきた土壌があり、海外から信頼される国として認められています。その意味で、大阪は優位性がある都市で、この地で優秀な学生を育成できる高津にはその素質が十二分にあります。
・ハングリーでチャレンジングな高校として、「自由と創造」の原点を呼び起こす100周年事業にして欲しいと思います。

DSCN1877s【取材後記】
・杉本町の広々としたキャンパスにお伺いし、久しぶりに学生気分を思い出させて頂きました。また、紙面の関係で研究者としてのご紹介は出来ませんでしたが、専門分野のお話しをされる時の目の輝きは印象的でした。
・また、今回は100周年事業で予定しているラーニングコモンズ(学生が自発的に学習し情報交換できるスペース)施設を案内頂き、非常に参考となりました。この紙面をお借りし、改めてお礼申し上げます。

                            取材日 2015.10.27


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