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2014.03.06 16:01

平成26年度 卒業証書授与式 答辞

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窓から差す光はだんだんとぬくもりを増し、木々の色はいっそう深まり春を感じる季節となりました。
本日は私たちのためにこのような盛大な卒業式を開いて頂きありがとうございました。
また先ほどは校長先生をはじめ来賓の皆様、在校生の皆さんから心のこもった言葉を頂き、感謝しております。

さて、入試という試練を乗り越えて、見事に心新たに始まった高校生活もわずかな時間を残して終わろうとしています。

友達とたわいないことで笑いあったり、成績が危うかったり…
それは僕だけかな??いろんなドラマがありました。

やり残したことはなかっただろうか?これからしたいことは見つかっただろうか?
思い出すのがいやになるほど辛いことも、思い出すたびに楽しくなるようなこともたくさん作ってきたけれど、その思い出たちは今も僕たちにかけがえのないものを教えてくれていると思います。

人とふれあい、すれ違い、つながりあって、一周りもふた周りも成長した気がします。

これから先、僕たちは皆どんな道を行くのかはっきりとはわからないし、完璧に予想できるものでもないけれど、目の前のハードルを一つ一つクリアしてお互い幸せになれたらなと思います。
でも先の予想のつかない人生、成功するかひょっとしたら大コケするかもしれない。だけどぜひ心に留めておきたい高津の三年間で教えられたことが三つあります。

ひとつは「ありのままの自分でいよう」ということ。

よく僕たちは自分の思いをカッコ悪いだとか情けないだとかいって隠してしまいがちだけど、そんなことはしなくていいのです。

高津は自由の中で「個性」という「違い」を伸ばしてゆける学校。
今まで本当にたくさんの人が、それぞれの個性を花開かせてきました。
誰もが思いつきもしないことをいくつも言って周りを驚かせたり、抜群の技術とリーダーシップでチームを勝利に導いたり、自分の得意なことひとつで誰かを喜ばせたり…
形は違ってもそれぞれの色に染まった力を発揮し伸ばしてきました。

しかし一方で、実はすばらしいアイディアを持っているのに認められそうにないから捨ててしまう、周りの批判を気にして言いたいことが言えなくて、悔しい思いをする。そんな人もいると感じていました。

いろんな気持ちを持つのは誰もが同じ。別に恥ずかしいことでも、ダメなことでもないんです。
浮かんできた自分の気持ちを一つ一つ認めればいい。口に出すのが怖いなら、はじめは心の中でもいい。
隠れていた本当の自分が見えてきます。自分の気持ちがわかれば、頼る人がいなくても自分で自分を励ませる。

本当にやりたいことがわかるようになる。おのずと自分に自信がつく。
そうすれば、ありのままの自分で生きてゆける。

ふたつめは「それぞれの道を行く」ということ。

隣にいる仲間たちと、これから先ずっと一緒に居られると錯覚するときがあるけれど、本当はそうじゃない。
親しい人なら尚更別れを認めるのがイヤになります。

しかし、別れというものを「悲しい」と決め付けるのはもったいないと思う。
「別れ」はそれぞれ与え合った喜びとか悲しみを、もう一回見つめ直すためにあるものなんです。
僕たちは何か役割があったから、ここで出会ったんじゃないのかなと。

今までの喜び悲しみ一つ一つを思い出すことで、次に出会う人をもっと大事にしようと思えます。
「別れ」は今まで一緒に居たことを未来に向けて考えさせてくれるすばらしいチャンスなのです。
だから今、この「別れ」を大事にしたい。

三つ目は「とにかくどんなことも楽しみたい」ということ。

小さなことでも一つ一つ子どものように楽しむ生き方をしたい。
今まで大量の課題、ハードなクラブ、先の見えない受験と大変なことがたくさんあったけれど、全てが全て苦しいことばかりではなかったはず。練習の成果が出たときなんて誰もが喜びを隠せない。

苦しい部分に目を奪われがちだけども、明るい部分をみて、楽しみながら生きたい。
勉強とかクラブとか行事の準備の小さなことまで楽しみつくす人はイキイキしていて、見てるこっちまで元気をもらえます。

高津にはそんな仲間がたくさん居ました。
一見乗り越えられそうにない逆境に居ても、本当に小さな喜びでさえも大切にする人はいつも笑顔です。
高校を卒業して次のステップに進むときに、そんな人を目指して生きてみたい。

これまで言ってきたことを、僕たちは卒業に当たってもう一度心に留めておきたい。
自分を抑え込んでしまったり、できなかったことにいつまでもとらわれたり、苦しいことだけが目に付きやすいけれど、ありのままの自分をもって前向きに生きることで、今よりもっとよくなる方向がきっとあることを信じて、幸せで優しい気持ちで居たい。

2011年、東日本大震災が起きて以来、どちらかというと明るいニュースも少なく、今年の四月からは増税と誰もがため息をもらす世の中の状況です。僕たちも受験を乗り越えた先にも就職難が待ち受けているかもしれない。

しかし、そういう逆境に居ても焦ることなく一度自分を見つめなおして、自分で温めてあげることが必要だと思います。

「自分の道は間違ってない。」
「あの人と私は違う道を行くけれど、お互い出会えたおかげで今の自分を見つけられた。」
「せっかくこんな仕事をするんだから、徹底的に楽しみつくそう。」

とか思う瞬間が、僕らの不安だらけの心をきっと軽くしてくれるにちがいありません。

長くなりましたが、もうお別れです。

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僕たちがここに立つまで全力でサポートしてくれた先生方、家族の皆、忙しい中私たちを見送るために来てくれた在校生の皆、ここへ足を運んで下さった来賓の皆様、今日は本当にありがとうございました。

過ぎた時間はもう戻ることはないけれど今日までの日々をチカラに、それぞれの夢を抱きながら僕たちは走っていきます。

また会える日を思って。

2014年3月1日
大阪府立高津高等学校
卒業生代表 阿部泰知


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