われわれ旧制中学22期の同期会「双会(ならびかい)」は、昭和36年の発足以来、回を重ねること52回に及んだが、本年度の総会を最後に、惜しまれつつ永年に亘る歴史の幕を閉じることになった。
これは加齢による会員数の激減、体調不良者の増加、世間の一般的常識等を勘案しての判断に従った事ではあるが、やはり一抹の寂しさ、残念さを拭い去る事はできない。
4月18日、大阪市中央区本町橋のシティプラザ大阪に於ける最終回に参集した同期生は僅かに9名、そのすべてが89歳前後に達していた。往年の覇気ある面影は消え、別れの宴も予想外に静粛で、淡々とした雰囲気であった。しかし散会時には、再び逢うこともない遠来の友と手を握り合って別れを惜しんだが、若山牧水の「さらば君 いざや別れむ 別れては また逢ひは見じ いざさらばさらば」なる和歌が無性に想い出される別れであった。
しかしながら、我々はもう一つのクラス会を持っている。これは大阪近辺に在住の級友が「彼処に行けば必ず級友の誰かに会える」をモットーにして発足させたミニクラス会「一水会」である。月1回、第一水曜日の晩、ミナミ水掛不動尊近くの民芸酒房「牧水」で開催する。毎回数名の参集があり、親交の度を深めている。この9月で252回になるが、かような場所で、高津の後輩諸君と杯を交わし、歓談できたら楽しいことだろうなと想像する。
若いと思っていた高津も、2018年には創立100周年を迎える。学校も、生徒も、同窓会も、全てが手を携えて伝統は残しつつ、更に新たな栄光に向かって進んでいきたいものである。
<文責:羽田 祐三>