~同期会の戯言 Ⅲ~
最近、ある雑誌の特集記事で「同窓会を人生のビッグイベントに」と大きく採り上げられていた。
高津中学27期・高2期と言う二つの顔を持つ男たちも、いつしか「傘の齢(よわい)」を寿ぐ仲間になった。
毎年、元気に集(つど)いあってる我々も、今年は5月16日(日)に久しぶりに所を変えて、近代大阪のシンボル・西梅田のヒルトンホテルにて、約40名を数えて盛大に執り行った。
思い起こせば、童顔のイガ栗頭で運動場に立った300名も、戦前・戦中・戦後の三代を乗り越えて、お互いが学び舎を巣立ってから、はや、それぞれが「60」年を迎える年にも当たる。
こんな事を記念して、中須君が今年の参加者全員にと、漆黒に染め上げられた素晴らしい『文箱』に、ご丁寧にも校章と二つの期名まで刻み込んだ記念品を用意 してくれた。記念品が何者かも全く知り得ない田中君までがベトナムの絵葉書の束まで全員に揃えてくれる。いつもながらの熊本君の『飛鳥漬』のお土産にみん なの笑顔皺までが格別の仕上がりとなる。
『最後の仕上げが作品の出来栄えを支配する』(デユマの三銃士より)
いつもながらの仲間のご厚意こそ、同窓会の持つ親睦と積年の心の交換が、その日の作品の出来栄えの上に、錦上花を添えてくれたのではないだろうか。
今 席は意外と先生と言われる人達が多かった。元大学教授・弁護士・医師・税理士・元高校教師等など。話す事が仕事とは言え、嬉々として駄弁りまくるのは、仲 間意識のせいかも知れない。「お互いの心は見えないが、お互いのこころは通じる」と実感したのは、決して私一人ではあるまい。
アットいう間の3時間が過ぎて、格式ばった終宴の挨拶も無いままに、それぞれのグループに分かれて二次会へと歩んだ。[故郷離れ難し]で、支払い終わって一番遅い私たち幹事グループを含んで、何グループかを上六界隈で見かけたものだ。
『今日という日をあなたにとって新しい始まりにするのよ』(イブセン)の言葉をお互いの生命(いのち)に刻んで「健康長寿の人生」にまた一歩また一歩と、元気に踏み出そうではないか。
高2期 浦 正大