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2016.11.10 12:49 頑張ってる卒業生シリーズ

頑張ってる卒業生_第5回 – 大藪 義章さん-【高校41期】

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創立100周年の募金開始から半年以上が経過し、周年事業の目玉であるクリエイトラボの企画準備が進んでいます。そんな中、一級建築士の大薮さん(高校41期)から連絡を頂き、今回のインタビューが実現しました。
クリエイトラボについては、今年8月に「みんなで創ろう!KOZU Create Lab!」や9月の記念祭ブースを通じ、在校生・教職員・同窓生等から200件を超えるご意見(ワークシート)を頂いており、正に絶妙のタイミングでのインタビューとなりました。

【 どんな高校時代でしたか?
 
・勉強はしませんでしたし、さして出来もしませんでしたね。心に残っているのは、たくさんの部活のことと少々の女の子ことですね。学校で印象のある場所は、昔あった床のよくすべる講堂と、その中2階にあった薄暗いバスケ部の部室です。今の体育館も使っていたのですが、記憶に強く残っているのは機能性の悪い講堂のほうですね。後々印象に残る場所って不便だったり、狭かったり、古かったり、そんなことありませんか?そんな場がいつしか時が経つと不思議と良い思い出に変わっています。そう!講堂での良い思い出が1つあります。
・その当時のNHKの朝ドラで「はっさい先生」というのがあって、夏休みにその撮影のロケを高津でやっていて、それを確かマネージャーの女の子2人と聞きつけて主演の若村麻由美さんと4人で写真を撮ってもらったんですよ。スマホが無い時代によくカメラがあったものです。その女優さんを今でもTVで見るとそのころをちょっと思い出します。
・高津の3年間は校風の「自由と創造」でいうなら無邪気な自由を楽しんだんだと思います。大学生そして大人になると自由が大きくなるほど責任も大きくなっていきます。そんなことを意識もしないで楽しめる自由はその時代しか過ごせないのかもしれません。今はそんな自由が他の高校と比較される中で存在し難くなっていることでしょう。世の中には自分にとって凄いと感じる人やただ好きだと感じる人がいます。
・僕にとって高津は決して凄いとかデータにあらわれるような良い、悪いといった場ではなく、ただ好きだと感じるような場であったような気がします。かの小説のなかに出てくる「大事なものは、目には見えないんだよ」って感じでしょうか・・・

今現在はどういう仕事を?】
 
・もうすぐ工事の始まる僕が10年位前に設計したビルでのインテリアデザインはとても小さいですが大変気に入っています。クライアントのご実家が三代営まれてきた呉服屋「山セ」をおばあちゃんが亡くなられたのを期に廃業されることとなりました。その山セの長年着物を大切に扱ってきた意志を受継ぎ、新たな業態である食パン専門店「山セ」として再生する計画です。

CG2・食パン店には全く見えない隠れ家のような店です。コンセプトは「大切につくられたものを、大切に扱い、大切な人に贈る」というものです。絹の着物を桐の箪笥にしまって大切に保管するように敢えて商品である食パンを引出しにしまいます。普通は商品をどうみせるかを考えますが、逆に一度隠すことで食パンを引出しから出した時の印象を強め、それをカウンターに持ってきて丁寧にラッピングするという一連の行為自体もデザインします。また奥の食パン引出しは大きな出窓の中にあって、裏面は外部に対してのディスプレイの役割も果たします。(CG参照)
・この計画で特に気に入っているのは、クライアントのおばあちゃんへの思いがなければ、僕がこういうデザインを思いつくことはなかったというところです。創作とは、自分を超えたところで思いつくところに楽しさというか喜びがあるんですよ。因みに食パン1.5斤の価格が2,000円の予定なので、むちゃくちゃ!高いですが大切な人に何か手みやげで持って行く際には来年オープンですので、大阪市本町の食パン専門店「山セ」を検索してみてください。

  クリエイトラボを専門家としてどうイメージされますか?
・この100周年記念事業のコンセプトは「もっと自由に。もっと創造。」ということですよね。創造って想像じゃなくて一からモノをつくり出すという意味ですから自然と自由と向き合うことになります。その自由がまた難しい・・・一番不自由にしているものが情報や知識、経験や思い込みなど自分自身に他ならなかったりするからです。少なくとも不自由にならない為の一番簡単な方法は、自分の認識している前提を一度全て疑ってみることです。
・例えばこの食堂のボリューム、高さ3.5mの壁と天井で囲まれた直方体に見える空間もその対象です。今日、HPの要望を基に考えました図面と模型をお持ちしましたので、案のひとつとして検討頂ければと思います。コンセプトは「多様な空間。多様な経験。」です。食堂の上が体育館なので、その見えない床はもっと高いところにあるはずです。現天井裏も使って食堂の中央部に9m×9m(1Fの1/3の面積)の中二階を設けます。

img_4751ss・また厨房と反対側の奥に1Fより1m程上げたプレゼンや講演などにも使える広目の多目的ステージ(下は収納)を設けそれらを階段で繋ぎます。その結果、1つの空間の中に色々な天井高を持つ、異なる空間性が生まれます。1Fからステージへの階段は座ることもでき、そこで靴を脱いでステージや中2階に上がります。中2階の両翼は畳敷きで座卓が可動の掘りこたつ形式です。カーテンで数個の個室にもできます。床面に座るので天井の低さも比較的気になりません。もっとも屋根裏部屋のように天井の低いスペースが学校にあるのは楽しいと思いますが。両翼の間はネット環境の整った個人対応のラウンド型カウンターとその内側の1Fと繋がる吹抜けです。
・また1Fの周囲の動線エリアは2,3人用テーブルやカウンター、ソファーなどの少人数対応で、中央部とステージは多人数に対応します。周囲の動線エリアによって中央部は独立使用も可能です。(写真参照)とにかくクリエイトラボという名前ですから、その空間も計画段階からワクワクするものであってほしいですね。そして、一人でマンガを読みたい人、クラスを超えてみんなで騒ぎたい人など、いろんな生徒に多様な居場所を与えられるような場になるといいなと思います。僕のバスケ部の部室のようにいろんな経験と共に生徒達の記憶に残る場になってほしいですね。
・クリエイトラボの趣旨のアクティブ・ラーニングとは違う話しになってしまいましたが、それにもしっかり対応しています。専門家はクライアントの希望と要望の基、クライアントの想像を超える手法でその夢を大きく育てなければなりません。またクライアントと共にそれを実現に漕ぎ着けなければなりません。いくら良いプランであっても予算を超えては実現できません。お聞きしたところ予算も現在1,200万円しか集まっていないそうです。なので、後に委員会から出されるプランを診てワクワクされた方は是非寄付をして下さい。これ高津高校の同窓生の皆さんにしかできないことです。皆さんのご協力で「KOZU Create Lab!」の可能性が広がっていきます・・・
・最後に、今回の掲載は頑張っている人という扱いのようです。高校では落ちこぼれの上、同窓生の皆さんと比べても特別頑張っているわけではありませんので、かなり気恥ずかしいです。しかし、インタビューという形で皆さんにもこうして話す機会ができました。そしてクリエイトラボの起爆剤になればうれしく思います

【取材後記】
・これまでクリエイトラボについて、多くの関係者からヒヤリングを実施してきましたが、一級建築士の専門家からの具体的提案を頂けたことは、有難く高津高校の懐の広さ、層の厚さを感じました。
・同委員会は職業専門家や実績を持つアドバイザー等で構成されていますが、寄贈を受ける在校生・教職員の皆さんのご意見を基礎にプランニングを進め、近く具体的なデザインプランを公開し広く意見を聞く機会を設けたいと思います。
                           取材日 2016.10.27

 


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